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中国笑話の訓話が流行しました

小噺が流行したのには理由があり、辻噺の場や料理屋で行われた「会噺」という小噺コンクールのような催しが流行していたのです。このために、「面白い噺をこしらえて商品が貰えるのは結構な話やおまへんか。皆も参加しなはれ。」という流れがあったのです。この中国の笑い話の中には、現代に続く小噺もあり、「饅頭こわい」は特に有名になりました。その他にも、日本の名作落語の原点にもなる、「野ざらし(上方落語では「骨つり」)」であったり、「松山鏡」といった笑い話が、それにあたります。

何故中国笑話の訓話が出たのか?

江戸時代に、商人たちの絶大な経済力に恐れをなした幕府が、町人の分際を越えた贅沢を戒めるようになりました。一瞬にして財産をなくした富豪が表れて、商人たちは、幕府が勧めるものを勉強しようと始めた儒教道徳が、「きちんと勉強しよう」と、当時の中国の笑い話を訓訳するようになりました。