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辻噺から屋内で口演する時代に

上方で初めて寄席を行ったのは、初代桂文治でした。「桂」は現代にも続いています。当時は寄席とは呼ばず、「席」と呼んでいたそうです。桂文治は二十一歳頃から大坂で噺家の活動をしており、その流れで大坂・坐摩神社で寄席を行い始めたようです。得意としている咄芸は、お囃子や小道具を使って芝居のように賑やかで楽しく演じる芝居囃で、全盛期だった素人囃に対して、素人とは違うプロとしての工夫をしていました。やはりお金をとるのは見せるためという原点になったのでしょう。寛政の改革にも笑いは負けていませんでした。

いよいよ現代に近い落語家が出てきます

まず、みなさんが首をたてにうなずく名前から登場します。最初は山生亭花楽から始まります。彼は、しっかりと修行を積んで落語家への道を目指します。その時、贔屓客から名前が噺家らしくないと言われ、三笑亭可楽と改めたそうです。 また、三遊亭圓生や、林屋正蔵もこの時代から名づけられた歴史ある落語家が誕生しています。